真空蒸着装置
Sapio Series
(SGC-S900/1300/1550/1700)
バッチ間成膜再現性を追求した高性能モデル
用途・応用例
光学多層膜フィルター(IRカットフィルター,バンドパスフィルターなど)、各種反射防止膜、増反射ミラー、LEDのDBR(Distributed. Bragg Reflector)膜形成
概要
成膜再現性
新開発のファイバー式光学モニター、安定した温度制御が可能な円盤型80点モニターガラスを採用。設計通りの特性が得られる高精度を実現。
膜質安定性
徹底した放出ガス対策により、槽内が汚れていても特性のみならず膜質の安定化を実現。
低パーティクル
排気系の乱流対策,蒸発源近傍の防汚対策・電子銃のチューニングにより低パーティクル化を実現。
高出力イオンソース
Sapio専用設計の高出力イオンソースを搭載、多層光学フィルターから樹脂基板への成膜まで幅広く対応。
特長
- 1. 高効率排気システム
- 2. 高精度膜厚制御システム Wavenavigator,Lafio-PLUS
- 3. 高出力・大面積照射 RFイオンソース ISGシリーズ
- 4. 低パーティクル仕様(オプション)
仕様
真空槽サイズ[mm] | φ900 | φ1300 | φ1550 | φ1700 |
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排気ポンプ | 22 inchDP×1 マイスナートラップ | 22 inchDP×2 マイスナートラップ | 26 inchDP×2 マイスナートラップ | |
設置寸法 | W4,000mm×D5,800mm×H2,637mm | W4,500mm×D6,000mm×H2,730mm | W4,900mm×D6,500mm×H3,166mm | W5,000mm×D7,000mm×H3,024mm |
重量 | 4,685kg | 6,546kg | 9,301kg | 9,341kg |
電源容量 | AC200~220V 約80kVA | AC200~220V 約89kVA | AC200~220V 約128kVA | AC200~220V 約126kVA |
再現性性能
新開発のファイバー式光学モニターの採用や、安定した温度制御が可能な80点モニターガラス機構を搭載することで設計通りの特性が得られる高精度を実現しました。
また真空の質を安定化させる技術と汚れの影響を受け難くする技術を取り入れることで、IRカットフィルターを20バッチ掃除・補正をしなくても下記の特性を実現しました。
20バッチ連続試験結果
・条件補正無(同一条件)
・掃除無
・上中下3サンプル 計60本
・半値波長 680±6.5nm(T=50%)
LED向けDBR(Distributed Bragg Reflector )膜形成
DBRが選ばれる理由
Al膜、Al+増反射膜
・熱変形による応力により結晶欠陥が発生。製品の劣化に繋がる
・Al反射膜では反射率増加に限界がある
DBR(誘電体多層膜ミラー)
・熱変形による劣化が少ない
・アルミ反射膜では得られない高い反射率の実現
LEDデバイスの構成
DBR分光特性例
高速APC+真空計
圧力変動発生時に影響されないよう制御する
成膜中の放出ガスなどの影響を抑制するには迅速な圧力制御が必要となります。高レスポンスの真空計と新開発の高速APC(自動圧力調整器)との組合せで驚異的な圧力制御性能を得ることができました。もちろん、不意の圧力変動も最小限に抑えることができます。
高速APC+真空計
モニターガラス機構
成膜中の圧力が異なると、屈折率などの膜質だけでなく基板上の膜厚も変動してしまいます。これは膜厚制御を行なっているモニターガラスと基板との圧力雰囲気が異なることが大きな要因であり、この差を最小限に抑える構造をさまざまな検証実験により求めることができました。従来の蒸着機と比較すると圧力変化による膜厚振れ量を約30分の1にまで抑えることが可能となりました。
非接触ドーム回転機構
(オプション仕様)
ギア部からの発塵無し
回転導入シール部無し
槽外から可能な為,
メンテ容易
光学薄膜作製において、基板上のパーティクルの問題は現在においても、今後においても極めて重要なファクターとなります。そのため、真空槽内の発塵源を極力減らすことも蒸着装置に課せられた課題であると考え、接触せずに回転動力を伝達するマグトラン®を採用した機構も選択可能としました。ギヤなどとは異なり、非接触であるため磨耗がなく、無発塵であると同時に容易なメンテナンスをも実現しました。
※マグトラン®は㈱エフ・イー・シーの登録商標です。